国際ロマンス詐欺の見分け方/ひので中央法律事務所(東京都港区)

国際ロマンス詐欺の見分け方

国際ロマンス詐欺とは、SNS等で海外の人物に装い、恋愛関係・友人関係などの信頼関係を築いた後で、言葉巧みに金銭を振り込ませる振り込め詐欺の一種です。ナイジェリアの詐欺集団が国際的に活動を展開したこともあり、「ナイジェリア詐欺」ともいわれます。

相手が国外の犯罪集団の場合が多いため、国際ロマンス詐欺の被害に遭うと金銭的な被害回復は困難です。また金銭的被害だけでなく、信頼関係を築いた相手から裏切られことによる精神的負担も大きいため、被害に遭う前に未然に防止することが大切です。

近年は出会い系サイトをはじめ、ツイッターやインスタグラム、フェイスブック、mixi、スカイプ、ライン(LINE)、ワッツアップ(WatsApp)、テンダー(tender)など、SNSを利用した詐欺被害が多いため、国際ロマンス詐欺の見分け方としては以下の点に注意しましょう。

●プロフィール画像、送信してきた写真
詐欺アカウントは、他サイトから盗んできた写真を利用するケースが多いため、プロフィール画像など送られてきた画像はすべて画像検索しましょう。複数の検索サイトを利用することで、流用されたものか確認しやすくなります。
また、フォトショップ(Adobe Photoshop)等で写真を加工しているケースもあるため、顔と身体がアンバランスかどうか、背景・風景がとってつけたようなものでないか、人物や物の影に違和感がないかなども注意深く観察しましょう。

●メッセージ、プロフィール内容
詐欺グループには、どのように会話を進めるか、どのような方法でだますかなどのマニュアルがある場合が多く、定型文がないか注意しましょう。相手側のプロフィールとしては、軍人(US Army)、戦場ジャーナリスト・医療関係者、経営者・投資家などの高給取り、パイロット・エンジニアなどのステータスの高い人物を装うことが多いとされます。相手が女性の場合はヨガインストラクターや女医などのケースもあります。

メッセージ内容にもある程度特徴があり、同情を誘うような身の上話(配偶者・恋人の死別、不倫・浮気など)を語って自己開示を行い、信頼関係を築こうとします。LineやWatsAppなど、スマホで操作できるツールに誘導することも多く、朝晩におはよう・おやすみメール、「I love you」「I miss you」などの愛情表現を含め、頻繁に連絡を送ってくることもあります。そして信頼関係を築いた後は、相手側に何らかのハプニング・トラブルが起こり、お金が必要になったことを告げ(相手側からは要求せず、詐欺被害者側から自発的に金銭を送るよう同情を誘うことが多い)、言葉巧みに金銭を振り込ませます。

詐欺アカウントかを確かめるためには、写真と同様、メッセージを検索し、詐欺警告サイトなどで注意喚起されていないかを確認しましょう。特に、LINEはアジア圏でしか利用されておらず、欧米などではほとんど使われていないため、LINEに誘導された場合は、まず詐欺アカウントであると疑ったほうがよいでしょう。

●ID、電話番号その他
詐欺警告サイトなどで注意喚起されていないか検索してみましょう。アメリカなどの電話番号は簡単に入手できるため、油断は禁物です。

期間としては数週間単位のものから、数か月、1年以上掛ける長期スパンのものもあります。国際ロマンス詐欺は被害者の情に訴えかけ、冷静な判断を失わせるという特徴がありますが、金銭を振り込むよう仕向ける流れになった場合は、落ち着いて対処することが必要です。詐欺全般にいえることですが、被害者は「自分は大丈夫」と過信していることが多く、油断していることがほとんどです。国際ロマンス詐欺か不安な場合は、周囲の者や消費者センター等の公的機関、弁護士事務所などに相談しましょう。

ひので中央法律事務所は、東京都港区を中心に、出会い系サイト詐欺、ネット詐欺、投資詐欺、振り込め詐欺など身近に存在する詐欺トラブルに幅広く対応しています。詐欺トラブルに精通した弁護士が、ご依頼者様のお悩みに真摯に向き合い、迅速かつ的確に解決に導きます。詐欺トラブルでお悩みの際は、当事務所までご相談ください。