サクラとは、出会系サイト運営者が雇った女性(男性)会員のふりをしたバイトのことをいいます。サクラの仕事は、出会系サイトの中でカモとなる男性(女性)とやり取りをしてポイントを消費させることです。
過去の裁判例においてこのサクラの違法性を争ったケースがあります。
・さいたま地方裁判所越谷支部平成23年8月8日判決
【事例】
埼玉県内に住む30代の女性は、NOW(当時の社名はアバンテ)の運営する出会い系サイトに登録して約1年4ヶ月間サービスを利用しました。このサービスはメールの送信、受信1回ごとに230円課金されるというシステムで、女性は合計544万円を支払いました。しかし、このときやりとりをしていた相手が一般会員ではなく、会員になりすましたサクラだったとして訴訟を起こしていました。
【判旨】
「(略)被告らは,原告が交信した相手が全てサクラだったという証拠はないと主張する。しかし,サクラを使用して被害者にポイントを消費させるのが,被告会社の業務形態であったと認められるのであり,むしろ原告が交信した相手だけがサクラでなかったということを考えにくい状況である。」「(略)以上によれば,被告会社は,詐欺に該当する違法なサイト運営行為を行っていたと認められるところ,被告会社の前記違法行為は同社の営業方針としてなされた構造的・組織的なものと認められ,被告会社自身の不法行為と認められる。」
このように、さいたま地方裁判所はサクラを利用したサイト運営を「詐欺に該当する違法な運営」と認定しました。
・東京高等裁判所平成25年6月11日判決
【事例】
原告は,被告が運営する出会い系サイトでサクラを使って欺罔されてサイトを利用,入金させて損害を生じさせた(被害額約2000万円)として,不法行為による損害賠償請求,公序良俗違反無効・不当利得返還請求を求めて,訴訟を提起した。
【判旨】
「(略)したがって,控訴人が本件各サイトにおいてメール交換した本件各相手方等は,一般の会員ではなく,被控訴人が組織的に使用している者(サクラ)であるとみるほかない。」「(略)以上によれば,(略)詐欺に該当するものというべきである。被控訴人は,控訴人に対する不法行為責任を免れることはできない。」
このように、東京高等裁判所もサクラを利用したサイト運営を「詐欺に該当するもの」と認定しました。
以上のように、サクラが違法であると認定した裁判例がいくつかあります。サクラがはびこっている出会系は、悪質な出会系サイトだと思って間違いありません。
ひので中央法律事務所は、東京都港区に事務所を構え、悪質詐欺被害の問題解決にあたっています。悪質商法による被害相談の相談料は頂いておりません。悪質商法に関してお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
サクラによる出会い系詐欺の違法性
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