FX会社が倒産した場合の投資者の資金に関しては保全される範囲は会社によって異なりますので、どういった場合にどの範囲の資金が保全されるか、詳しく説明していきます。
FX会社に関しては、投資者から預かった資金をFX会社自体の資産とは完全に分離し、信託銀行などに管理を委託する「完全信託保全」を行うことが金融商品取引法やその関連法令で義務付けられています。そのため、FX会社が倒産してしまった場合にも投資者の資金は差押えの対象とはならず、安全に確保されることとなっています。ここでの注意点としては、この義務は国内のFX会社に限られているため、海外のFX会社を利用する場合には、そうした仕組みがあるのか確認する必要があります。また信託保全にも種類があり、国内のFX会社が義務付けられている「完全信託保全」のほかに、一部のみ分離し信託銀行などに管理を委託する「一部信託保全」や形式上預かった資金とFX会社の資金を分けて管理する「分別保管」がありますが、完全信託保全以外は安全性に欠けるものとなっています。
信託銀行などに預けられた資金に関しては、信託法により、信託銀行自体の資産とは別個に管理されることが義務付けられており、信託銀行自体が倒産した場合にこの財産は差押えの対象外となるため、心配はありません。
この信託保全ですが、投資者の資金は為替の変動とともに常に変わっていくものであることから、信託銀行などに管理を委託しておくべき資金も常に変動することとなります。この変動に合わせ、その資金の残高を更新する頻度に関しても会社によって異なります。具体的には毎日その更新を行う日次信託と週ごとに更新を行う週次信託があり、更新頻度の多い日次信託の方が正確に投資者の資金が保全されることとなります。加えて現在では即時信託と呼ばれる、投資者の資金を直接信託銀行などに入金するという会社も存在します。
そして、保全される資金の対象に関してですが、大きく分けると、証拠金のみを対象とするものとする会社と、証拠金に加え含み益や金利などについても対象とする会社があります。
後者の方が正確に投資者の資金を反映することとなりますが、逆に含み損などをも反映することになってしまう点にも注意が必要です。
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FX会社が倒産したら投資者の資金はどうなる?
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